彼と私と隣の彼



「詩乃ちゃん!おはー。」


教室に入るといつもの様に、春人が声を掛けてくれた。



「おはよ。」



「今日から学祭の準備期間だね。」



「あ、そか。授業少ないじゃん。」




そう、今日から学際の準備期間。


2週間後に控えた学園祭の準備のため、午後は丸々授業がつぶれるの。



こんな嬉しいことってないよね。




「うちのクラスは模擬店だっけ?」



「そうだよ。」



1学年7クラス分あるうちの学校はそれぞれの学年で役割分担が決まっていて、2学年は模擬店担当。



「てか、詩乃ちゃん実行委員だよね?」



「…あ。そうだった…。」



めんどくさがりな担任のおかげで、ちょうどその日日直だったあたしが任命されてしまったのだ。


本当にありえない!



しかも、今日から委員会だし、何かと責任問われるし。


絶対あたしには不向きな役割だ。



せめて各クラス2人にしてくれればいいのに…



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