四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】
「嫌なんかじゃないよ。むしろ嬉しい、かな」
だから気にしないで、と、有貴さんはまた僕に笑い掛けてくれた。
「有貴……ちょっとお前さぁ……」
有貴さんの向こうの兄ちゃんは、苦い表情。
兄ちゃんは嫌だと思ってても、僕はやめないよ。
だって、兄ちゃんは関係無いもん。
ちゃんと、僕と有貴さんの意思の上に基づいているんだからね。
「本当、血は争えないよなー」
可笑しそうに、そして楽しそうに笑う有貴さん。
有貴さんが楽しそうだと、僕も楽しいよ。
でも、血は争えないって……何のことだろ?