四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】


「俺ね、なんとなく翔くんの気持ち、わかるかも」

「有貴さんが、僕の、気持ちを……?」

「うん」


えっ……!?

僕の気持ちがわかるって……

も、もしかして、僕が有貴さんを好きなこと、バレちゃったのかな……!?


そして有貴さんは、こう続けた。


「俺も訳も無く誰かに甘えたくなることがあるから」

「有貴さんも、そういう時あるんですか!?」


クールで、紳士で、大人っぽくて、優しい有貴さん。

そんな有貴さんも、僕みたいに甘えたくなる時があるんだ……


「だって、俺も翔くんと同じ、弟だからね」

「ええっ!?有貴さんって弟なんですか!?じゃあ、お兄さんがいるんですか!?」

「そうだよ。あ、プリクラ見る?この前智兄と撮ったの、携帯に貼ったんだ」


プ……プリクラとか!

……どうしよう。

大人っぽくてカッコいい有貴さんが、今はすごく可愛く見えて仕方が無い。


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