四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】
「だめー!有貴さんの隣は僕!」
「いやいや、俺、有貴のかれ……んんっ!」
「流羽ー。さすがにちょっと、大人げないぞ」
有貴さんは何か言おうとした兄ちゃんの口を咄嗟に覆うと、そのまま兄ちゃんの腕を引いて僕と反対側の、有貴さんの左隣に兄ちゃんを座らせた。
「そうだなぁ。流羽と翔くんは俺から見たら、羨ましい兄弟だよ。翔くんのお兄ちゃんにも生まれてみたかったし、流羽の弟……はナイな。流羽のお兄ちゃんにもなってみたかったかも。それぐらい、流羽と翔くんの兄弟は楽しそうで、いいなって思う」
へぇ……
僕と兄ちゃんって、端から見たら“楽しそうな兄弟”なんだぁ。
まぁ、確かに兄ちゃんといて、つまらなくはないかな。
すると突然、兄ちゃんがとんでもないことを言ったんだ。