四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】
「有貴さぁ、翔の兄ちゃんになりたいなら、俺と結婚する?」
──ん?
今、兄ちゃん……何て?
「有貴さ、俺と結婚しようよ」
兄ちゃんの目が……
瞳の奥が……
“真剣”と書いて“マジ”だ。
有貴さんは……?
有貴さんは、兄ちゃんの“マジ”に、何て、答えるの……?
返事を聞きたくなくて。
有貴さんと兄ちゃんはただの友達なのに。
何故か有貴さんが「いいよ」って。
そう、答えそうな気がしたから……
僕は咄嗟に──