四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】


そう思うと、なんだか急に、悔しくなって。

自惚れていた自分に、虚しくなって。


僕の目から、ぽとぽとと、涙が零れ落ちていた。


「翔くん……」


きっと、僕に対する同情にしかすぎないんだろうけど、有貴さんは優しく、僕を抱き締めてくれた。


誰かに抱き締められるって。

誰かの腕の中って。


──こんなにも、心地好いんだね……


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