四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】

「どんなに結婚したいって思っても、本当は……男同士じゃ結婚……出来ない、んだ……」


何を言っているんだこの人は。

兄ちゃんがさっき、男同士でも結婚出来るって言ったんじゃん。


あ……

もしかして僕、兄ちゃんにまんまと騙されてた訳……!?


「兄ちゃん……。僕に、嘘ついたの……？」

「ほら！今日はあれだ！４月１日、エイプリルフール！嘘をついてもいい日！」

「僕は、今日がエイプリルフールだって、知らなかったんだけど……？」


ソファーからゆらりと立ち上がり、兄ちゃんの前に立つ。


兄ちゃんのこと絞めてやらないと、僕の気が済みそうにないや……


「待て、早まるな、翔！あの嘘のやり取りの中には、そうでないものも混じってるんだ！」

「……何なの？」