四月馬鹿、偽りのプロポーズ。【BL】


その度に僕は、思うんだ。

異性だから、付き合えるのかな?

男同士だったら、付き合えないのかな?

もしかして、僕みたいに男を好きな人って、他にはいないのかな?


友達に、冗談のつもりで聞いてみたことがある。


「男が男を恋愛対象に見るのって、アリだと思う?」


友達は、驚いていた。

そして、こう言ったんだ。


「有り得ねーよ、そんなの。聞いたことねーし」


有り得ない、か……。


「だ、よね……!有り得ないよね!そんな人、本当にいんのかな!?」


その時は、精一杯の笑顔で返した。

猫を被ることにこんなにも苦を感じたのは、初めてだった。


有り得ない。

僕のこの気持ちは有り得ないんだ。


男が男に恋をするなんて……有り得ない。


そう、自分に言い聞かせた。

毎日、毎日、何度も、何度も。


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