ありえないヒトメボレ
「カナって、デビューした時から結構人気あったのね。あのルックスだし。」
確かカナがデビューしたのは16の時。
うん、そのくらいならかっこよくなる子は徐々に頭角をあらわしてくる頃。
「でもさ、わりと若いうちからちやほやされると、ちょっと調子に乗っちゃうこともあるでしょ?カナもそのタイプだったみたいで。」
言い忘れてたけど、ここは学校。授業の終わった教室を二人で占領中。
誰もいないから耳打ちする必要はないんだけど、あえて美也は私に耳打ちする。
「けっこう、女遊び激しかったみたいで、ひどかったみたいだよ。そのせいで、一時期干されてたみたいだし。」
「干されるって?」
「ファンも離れていって、仕事も・・・ほら、芸能界ってイメージとか評判とか大事でしょ?カナは今でこそセクシーとかそんなのも通用するけど、十代でそういう噂って結構マイナスなんだよね。」
「そう言えば、一番最初にプレリューの名前聞いたのは随分前だったけど、目に見えてきゃーきゃー言われ出したのってここ3,4年だからけっこう最近・・・・。」
「でしょ?その間干されてたって事。」
私の記憶が正しければ、カナ達は芸能生活の半分くらいを干されてたことになる。
美也は必死で続けてる。