ありえないヒトメボレ

「えっと、どっから話せば良いかな・・・。」

とりあえず、私もベンチに座った。




「俺、デビューしたときさ、すごい嬉しかったんだよね。好きな事やって食べていけるって・・・

ファンの子もついてくれて、ドラマとかも出れて、可愛いアイドルなんかに告白されたりして、正直天狗になってたのかもしれない。

10代半ばのときって、ほら、セクシーなお姉さんとかに弱かったりするじゃん?」



話が全然つながってませんけど・・・あと、セクシーなお姉さんに弱いのは10代だけではないよ。


「なんか、そういう雰囲気になってさ、んで、そのままヤッっちゃって・・・

俺、その時、まだガキだったのにさ、なんか嬉しくなっちゃって、とっかえひっかえしちゃったんだよね。

なんか、もう、知ってると思うけど、掲示板見てたから・・・。」

  


あ、あの時も後ろにいたのか。



「で、なんか、そんな事やってたから仕事も無くなってきちゃって・・・したら、皆離れて言っちゃってさ、当たり前かもしれないけど・・・・。なんか空しくなっちゃって・・・

所詮、セックスなんてただの行為じゃん、って俺思ってたからさ、別に意味も無いって思ってたから。


 でも、仕事が無くなってた時に新に子供生まれてさ、」




新というのはカナのバンドメンバーでキーボード担当。『あらた』と読む。


「ん?腰折ってごめん。あの人結婚してるの?」

「うん、してる。続けていい?」

「ごめん、いいよ。」

意外だな・・・あの人結婚遅そうに見えたのに

単なる偏見だけど




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