ありえないヒトメボレ
「違う。優しくない人って言うのは冗談。」
「なんだ。本当は?」
「・・・嘘をつかない人。」
「なんだ。俺、ぴったりじゃん。」
カナはにっと歯を見せて笑った。そういえば前、美也が『カナほど正直な人間はいない』って熱弁を奮っていたっけ。
「もう一個聞きたいんだけど。」
「何?」
「これは答えたくないかもしれないから・・・。」
カナは鼻を擦った。
「気持ち悪いな、早く言ってよ。」
しばし沈黙。
「足、どうしたの?」
「ん?」
「さっきもそうだけど、右足、何か力が入ってない感じがする。」
「ああ、これ・・・」
「それにこの暑いのに靴下はいて靴はいてるし。普通この時期、女はサンダルとかミュールが多いのに。」
言おうか悩んだ。
決めた。
私は右足の靴下と靴を脱いだ。
カナが息を呑むのがわかる。
「それ・・・。」
「生まれつきなの。だからちょっとバランス取りにくいんだ。」
私は生まれつき右足の小指と薬指が無い。
生まれつきだから私は慣れたものだけど、初めて見る人はだいたい驚く。
「昔はこれでいじめられたこともあったけど。ほら、私、基本生意気な性格だから。」
「・・・・・っっっ。」
「?」
カナが黙ったから、私は思わずカナの顔を覗き込んだ。
泣いてる。
「なんだ。本当は?」
「・・・嘘をつかない人。」
「なんだ。俺、ぴったりじゃん。」
カナはにっと歯を見せて笑った。そういえば前、美也が『カナほど正直な人間はいない』って熱弁を奮っていたっけ。
「もう一個聞きたいんだけど。」
「何?」
「これは答えたくないかもしれないから・・・。」
カナは鼻を擦った。
「気持ち悪いな、早く言ってよ。」
しばし沈黙。
「足、どうしたの?」
「ん?」
「さっきもそうだけど、右足、何か力が入ってない感じがする。」
「ああ、これ・・・」
「それにこの暑いのに靴下はいて靴はいてるし。普通この時期、女はサンダルとかミュールが多いのに。」
言おうか悩んだ。
決めた。
私は右足の靴下と靴を脱いだ。
カナが息を呑むのがわかる。
「それ・・・。」
「生まれつきなの。だからちょっとバランス取りにくいんだ。」
私は生まれつき右足の小指と薬指が無い。
生まれつきだから私は慣れたものだけど、初めて見る人はだいたい驚く。
「昔はこれでいじめられたこともあったけど。ほら、私、基本生意気な性格だから。」
「・・・・・っっっ。」
「?」
カナが黙ったから、私は思わずカナの顔を覗き込んだ。
泣いてる。