BLUE〜よりくんと優子の物語〜


ギュウッと強く抱きしめすぎて苦しい。


あたしは何とか呼吸ができるように、

顔を外に向けた。



「あっくん、ずっと一緒に待ってくれてたんよ。

ケンタくんも。」



「知らん。」



「よりくん。」



「帰ってきた時おまえがおらへんかったらどないしよって、

俺はそれだけや。」



「・・よりくん。」





ヤクザをやめることが、

カタギになることが、

よりくんでなくなる気がして怖かった。



今まで支えてくれた仲間さえも

捨てようとしてる気がした。




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