BLUE〜よりくんと優子の物語〜


二人で交わす初めてのキスなのに

よりくんにとってはただの流れ作業のようだった。


悲しんでいる暇もなく、

よりくんは慣れた様子で

耳や首筋にもキスをした。



「耳ちっこいな。

そういえばピアスあけてへんねや。」



「うん。痛そうやもん。

やっぱ地味かなぁ?」



「ええんちゃう。

それはそれで。」



耳元でボソボソささやかれるとくすぐったい。



あたしはよりくんの体をギュッと抱きしめた。


細いと思っていたよりくんの体は、

こうして重ねるとガッシリしていて

やっぱり男の子なんだなぁと思った。




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