星の背中



「ちょっとそこの君っ!!」


「へっ!?」



もう帰ろうとしたあたしの右手を誰かがつかんで引き止めた



「君、もしかして天文学部の見学できた生徒!?」



引き止めてきたのはボロボロの白衣を着たボサボサ頭の男の人...まさかこの人先生!?

先生らしき人は息を切らしながらあたしに向かって嬉しそうに話をしだした



「はじめまして、僕はこの天文学部の顧問をしている祖壁です。よろしくね」



祖壁先生は、ずれてくる大きな黒縁メガネを上げながら笑顔でそういった



「いやー、天文学部を見学にきてくれた子なんて今までいなかったからビックリしたよー」


「えっ!?あたし別に見学にきたわけじゃ...」



きたわけじゃないですといい終わる前に、祖壁先生はあたしを汚い扉の中へ引きずり込んだ


見学なんかしたくないって...

早く家に帰らないと、弟達がお腹を空かして待ってるのに


あたしは祖壁先生のペースに乗せられ、天文学部という謎の部活の見学をさせられてしまうことになってしまった


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