君は空を愛してる。
「まどか、左手出せ。」

「え?」

「いいから。」

まどかはおずおずと左手を出した。

祥太は用意していた指輪を
まどかの細い薬指に填めた。

「祥太…っ!これ…。」

「さすがに腕時計は
寂しいだろうからな。」

「でも、お金なんかないって…。」

「バーカ。
いくらなんでも
アスリート時代の蓄えぐらいはあるよ。」

尤も、これは祥太の嘘だが。

「ありがとう…。」

まどかは感動で目を潤ませていた。
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