君は空を愛してる。
夜。

一旦自宅に戻ったまどかが、
後ろ手に何かを持って現れた。

「何だよ?」

「じゃーん、細やかだけど…
誕生日おめでとう。」

そう言って差し出したのは、
昼間拾った桜の花びらを
押し花のようにして作った栞。

入院中暇だからと
最近本をよく読む祥太が
いつも不便そうにしていたから。

「…サンキュ。」

祥太は嬉しそうに微笑んだ。

まどかも嬉しかった。
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