チェリーブロッサム
桜舞う季節に・・・
幼い日のこと、あなたは覚えているのかな?

名前も知らないあなたに私は恋をした。

それは、私が7歳の春。


外には、満開の桜が咲いていた。 綺麗な桜、この桜の木の下であなたと出会ったんだ。


あなたはもうきっと覚えていないかもしれないけど・・・・。


私は、まだはっきりと心の中に残ってるよ。あの日のあなたの顔。声。すべてを・・。


あの時私は、お花見に来ていて、親とはぐれてしまった。

不安で、ずっとうつむいて泣いていた。


そんな時に、優しく声をかけてくれたあなた。

「どうしたの?」

「うっ・・・ッ」

「わかったぁ、おかあさんたちとはぐれちゃったんでしょー」

私は何も言わずにコクリとうなずいた。

「僕が一緒に探してあげる!! だからもう泣かないで」

「うん・・・。」

ゆくあてもなくて、気が動転してなにもしゃべれない私を

あなたは、やさしくなだめてくれた。

「いつ、どこではぐれたか、おぼえてるぅ?」

「ううん。いつの間にかいなくなってた・・・。」

「そっかぁ、じゃあここらへん探してみよっ♪」

「うん、ありがとう」

「元気出たみたいでよかった!!」

あれから、心がドキドキしすぎて何時間たったかなんて覚えていない。

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