チェリーブロッサム
「ママたち、見つからない・・・。」

「だね・・・。でもっ。落ち込まないで、僕が一緒に見つけるから」

「うん・・・。」

私はしばしの間、肩を落としていた。

するとその男の子は、

「ねぇ! そんな顔しないで。 元気出してっ! 僕がいいものあげるから」

「なぁに?」

目を見開いて、キラキラ輝かせる私。

「手ぇ、だしてっ」

ドキドキしながら、私は手を出した。

ポン、と私の手のひらに置かれたのは

さくらんぼと星がついたストラップ。

「わぁ、すごく可愛いね。ありがとう」

「また、笑ったね♪ どういたしましてっ」

その瞬間、目の前に現れたのは、

「あ、ママぁ!!」

「え? よかったねえ!」

私は一目散に、ママに駆け寄ったが、走っている途中に思い出した。

「あ。絶対また会おう・・・ね?」

私が振り返った瞬間に、あの男の子の姿はもうなくなっていた。

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