*Sweet×Trap* ~放課後のLOVEパレット~
*** *
「心配して来てくれたんですか?」
まだ足の震えがおさまらないあたしをイスに座らせて、センセイが言った。
「……違います」
「じゃ、なぜ?」
意気込んで来たくせに、なかなか言い出せない。
あたしが黙ると、センセイは白衣のポケットから手紙を取りだした。
「これですか? 上原さんから預かりました」
そう言えば。そんなこと言ってた。
でも、
「なんでそれをセンセイに……」
「佐伯さんの家が分からないって言ってましたけど」
「だからって」
「僕に預けておけば来るかもしれないって」
「え?」
「上原さんの言う通りでしたね。少しお節介なところがあるんですよ、彼女」
センセイが笑う。
……分かってるんだ。上原さんのこと。
でもあたしがここに来たのは、手紙をもらうためなんかじゃない。