真実の奥に。
真偽
一瞬、心臓が止まった気がした
ううん、本当に止まったんだ
見つめ返すことしか出来ないあたしに、
沙羅はこう付け加えた
「席ちょっと近いし・・・、ハサミで何かを細かく切ってたよね?
そのとき、千枝の顔が暗かったし・・・。」
そう言われてもまだ、渋い顔しかできないあたし。
まさか、友達に見られてたなんて
沙羅はあたしの2つ隣の前の席
あたしには周りがよく見えていなかった
それが大きな欠陥か・・・
沙羅はあたしから視線をそらさずに、あたしの右手を取り
両手で包んで
「前も何か考えこんでいたときがあったよね?
あたし、心配だよ・・・
言える範囲で教えてほしいの」