真実の奥に。

沙羅の彼氏

あたしの彼氏は優しかった

それにかっこよくて、バスケが上手くて、
自分にはもったいないほど。


その自信の無さから来る不安は現実のものとなった


千枝と屋上で会う10分前。





あたしは教室から少し離れた、階段の側にあるトイレに1人で行っていた

それから5分後にドアを開け、教室に戻ろうとしたとき


「彼女いるって本当?」

「ああ。」

男女2人の会話が聞こえてきた。


普通ならそのまま立ち去るのに、

ここは特別だった


女の人は分からないが、

男の声は、確かにあたしの彼氏のものだった



ずっと今まで、他の女子と話す彼の姿をみたことはほとんど無かった

逆に寄せ付けないような雰囲気をもっていた



だからこのあと女の人が、

「彼女持ちでも関係ない。あたしだって好きなんだから」


そんなことを言っても、妙に冷静な自分がいた
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