真実の奥に。
会議室に着いた途端に

「だりー」

と言って、椅子にもたれ掛かった

あたしはそんな彼の向かい側に座り、アンケートを眺めた…


振りをしながら、頭の中では違うことを考えていた


もっと八木に近づきたいと思っていた




八木が好きな人がいると言ったとき、あたしの心の中を探っているような気がした

その意図は分からないが、

いや、分からないから、彼をもっと知りたいと思った



もしかしたら彼はあたしに気があるのかもしれない

そう考えれば、最近教室で話しかけてくることも、こうやって今手伝わせていることも納得がいく


納得がいく…けれど。


本当にそれだけか?


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