真実の奥に。
取り敢えず、このことは後で考えよう


まずはこのアンケートの結果を出さなければならないのだから。



「心図さぁ、なんで好きな人つくんねぇの?」

またこの仕事と関係のないことを聞いてきた

20枚ほどの紙を仕分けしていたころだった


「なんで・・・って。作らないようにしてるわけじゃないよ。
ただ、なんか恋愛とか、自分には程遠い感じがして。」

自分で言って、なんだか悲しくなって半ば投げやりに言葉を発していた


「もったいねぇよ、今青春真っ只中だぜ?」


ぷっ


思わず吹き出したあたしに八木がムッと眉を寄せていた

「なんで今笑ったんだよ」

「あはっ・・・ごめん、なんか八木が”青春”って言うキャラじゃない気がして」

なんだよそれーと言ってムスッとすねた顔が可愛くて、

またあたしは笑ってしまった


「どこまでも失礼なやつだなー。

そういう心図も、国語に関してはどうしようもないヤツだけどな」

次にムッとしたのは自分だった


「しょうがないじゃんー、嫌いなもんは嫌いなの。

八木は国語得意なの?」


「得意ってわけじゃねぇけどさー。

俺以外と、現代文とかで登場人物の気持ち読み取るの得意なんだ」


「えっ!嘘でしょ!あんな高度なことが出来るの?!」

今度吹き出したのは八木だった


「心図にとっては高度なことなんだ?

だってなんか鈍そうだもんなー、お前」




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