真実の奥に。

今回も説教ではなく、いつものようなやり取りであったことに安心し、コーヒーの香りが漂う職員室を出た途端に、あたしは小さくガッツポーズをした

足取りがスキップになりそうなのを我慢しながら

教室へと向かった




あたしは、真ん中の列の一番後ろの席だったため、

後ろのドアから入っていった



ふと前を見ると、英語の松尾先生が教卓に立っていた。


あたしから見て右側の列の前から2番目の潮那も

あたしから見て左側の列の前から3番目の槙も

すでに座っていた


危ない、危ない。

もうすぐ1限目が始まるとこだったんだ




1限目が英語とか、やる気ないわーと思っていると、


教室にどちらかというとアメリカ人に近い発音の、松尾先生の声が響いた


「誰ですかー今週の週番は~

黒板はきちんと消してください」


ドキッ! 

あたしはその言葉に焦りで胸が鳴った


7限目で板書されたことは週番が放課後に消すということになっているのだが

昨日は国語の課題しか頭に無くて、急いで帰ったあたしは

昨日の週番の仕事をほったらかしにしていた


つまり、今週の週番とやらはあたしなんです・・・





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