*はつこい*


私が朝投げたプレゼントを持って、申し訳なさそうにしている。


「・・・少しだけ・・・話しを聞いてくれないか?」




私もさっきは言い過ぎたし、2度も突き返す事は出来ない。





しかも、さっき決めたんだもん。


お父さんと正面から闘うって。

逃げてもダメなんだって


一人じゃないって



龍斗さんが教えてくれたんだもん。



大丈夫・・・。






「・・・・入って」




ちゃんと自分の気持ちを言う。

私もう子供じゃないんだから。


お父さんが座っている席にお茶を置く。




「・・・・なぁ、ナンナ」


「・・・・・なに?」


「お母さんが見たいんだ。写真・・・・持ってきてくれないか」


私のお母さんは
一年前、病気で天国へ行ってしまった。


「お母さんは多分、お父さんに会いたくないと思うよ」



だって・・・
私達を捨てて

大女優と結婚したんだから。



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