*はつこい*
「私だって辛かったよ。お父さんに捨てられたんだって・・・思った。」
声が震える。
「毎日お父さんの夢をみて、広いリビングで一人でご飯食べて。・・・孤独だったんだから・・・」
「捨てられたんだ・・・私の事、嫌いになったんだ・・・って思ってた。」
涙がぽろぽろと落ちていく。
嬉しいのかな?
悲しいのかな?
よく分からない涙が沢山流れる。
「・・・・・ナンナ。・・・これ」
お父さんが私にラッピングされた袋を渡した。
雨と土で汚れている。
「この袋・・・私が朝に・・・」
地面に投げつけたプレゼント。
「開けて」
ゆっくりと紐を解くと
中に白い箱があった。
これを
ゆっくりと開く。
そこにあったのは―・・・
「ケーキ」