*はつこい*
時間が経つ事に客も増えてくる。
もう何が何だか分からない。
もしかして
ヤグ達...帰っちまったかな?
安くしたかったけど、
この調子じゃ、ちょっと無理そうだ。
「龍斗くん、休憩入っていいよ~」
やっと休憩タイムだ。
俺は、新鮮な空気を吸う為に外へ出た。
「はぁー...」
疲れた。
朝に買って置いた弁当を
今食べる。
いつの間にか夜の8時。
「お疲れ様っ☆」
弁当を食べてる俺に、
多分、俺と同じ年くらいの女がお茶を持ってきてくれた。
「ありがとうございます」
ここに若い奴なんて
働いてたんだな。
全然気づかなかった。
「私も今、休憩なんだけど、一緒にいいかな?」
「あぁー・・・はい。どうぞ」
俺は座っていた場所から
少し寄ってスペースを作った。
「ありがとっ」
そう言って、女は俺の隣に座った。
せっかくの休憩時間が台なしだ。