*はつこい*

ま、まぁ・・・
呼んだ気もするな...。


俺..呼んだ事無かったのか。



「私...感動したんです!なんか少し龍斗さんと仲良くなれた気がして!!!」


目をキラキラさせて中川が言う。


心から言ってるんだろうな...

何でかわかんねーけど
コイツになら、素直になれそうだ。



「俺も...お前と仲良くなれた気がする///」


だから普通に"中川"って呼べたんじゃねーかな?


「えへへ。龍斗さんって結構、照れ屋さんなんですね(笑)」

「なっ!?///何でそんな事分かんだよ!?」


「だって...。顔、真っ赤(笑)」


「......!?!?////」


笑いを堪えて肩が震えている子犬。


俺が素直に言ったっつーのに!


馬鹿にしやがって!!
ムカつく..コイツ。



「いいじゃないですか。可愛いですよ~」


今度は意地悪にイヒヒと笑う中川を見て
またドキっと胸が波を打つ。



「~~・・・うっせ~よっ!!///」



俺はポケットに手を入れて、目を逸らした。


「さて!どこ行きましょうか?」


「は?お前から誘ったんだろ?」

「はい。でも、行く所考えてませんでした☆」


「なんでそんなに楽しそうなんだよ」



「龍斗さんと仲良くなれたからです♪」



「・・・・・・・/////」


そんな笑顔で言うなよ///


体に悪い...(ある意味で)


「あっ!!また赤くなりましたね?」



「な、なななってねーよ!!///俺、腹減った!何か食いに行こーぜ」


「いいですね~♪行きましょ~」


俺達は歩き出した。



でも、中川の言った通り

本当に仲良くなれた気がするんだ。


仲良くと言うのか、心を許せたの方が近いような気もする。


19年間、女に興味なんて無くて


もちろん彼女なんて
考えた事もなくて



だけど...中川に会って



いつもの景色も鮮やかに見えて

こんな世界もあるんだなって
初めて知ったんだ。

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