*はつこい*


ハァ...ハァ....



あれからどれくらい走っただろうか。



あてもなく走っていたせいで、
気づいた時には
ここがどこだか分からなくなってしまった。


「はぁ・・・・・もう学校、休もう」






ふと左を見ると、小さな公園があった。


私はブランコに腰を下ろして少しだけ揺らした。




「・・・・・・・・」



キィ...キィ...

ブランコが揺れる音。



昔は、お母さんとお父さんと
よく公園に遊びに来たな。




ブランコに乗ってさ・・・



お父さんが空高く押してくれて・・・・


お母さんは木陰で『すごいわね~』って笑顔で・・・






なのに、








なのに、




今は





キィ...キィ...



「お母さん・・・私...


独りぼっちだよ・・・」






助けて。









独りぼっちは









嫌なの・・・・




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