*はつこい*
『まぁ~いいや。お前さ、ナンナちゃん見てないか?』
「・・・・中川?」
そう言うと、中川は
こっちを向いて首を傾げている。
「一緒にいるけど」
『一緒に居るのかよっ!な~んだ~。何回電話しても取らないから、カレンと心配してたんだ。』
「あぁ~・・・そうなんだ」
『お前も、欲張りだよな』
「えっ?」
『ナンナちゃんの誕生日を独り占めしようってか?!』
「・・・・・・はっ?」
誕生日・・・・!?!?
『とぼけるなっ!この独占欲の固まりめ~!!』
「シネっ」
『シネとは何っ―?!』
ピッ。
俺は電話を切った。
「中川っ、今日・・・誕生日?」
「えっ?・・・あっ・・・そうです」
「まぢかよぉ~。俺何も用意してね~じゃん」
俺はしゃがみ込んだ。