年下くん注意報
~放課後~


「杏里、行くわよ?」

「うん! 今行くよ!!!」


そしてあたしは、椿と一緒にあの図書室に向かった。


「てかさ、アンタどこに本を置いたのよ?」

「あれ?ここにあるはずなんだけど……ゲッ!!!」

「どうしたのよ?……あら。」


そう、そこには
図書室の机に突っ伏して寝ている蒼空くんがいたのだった。


「なんで、会っちゃうかな。」

「ある意味運命なんじゃないの?」

「そんなのいらないから!」


椿と2人、蒼空くんの目の前で討論をしていると…


「……ん?」


蒼空くんが、起きてしまったのだった。


「おはよ、蒼空くん。」

「んん…おはおうございます?」


椿が「おはよう」と声をかけると
目を擦りながら寝起きで、呂律が回ってない蒼空くんが起き上がった。


なんなの!?
この子犬みたいな人!?!?


すっごい可愛いんですけど!!!

「……あっ、この間の!!」


どうやら、この子犬くんは覚醒してくれたようです。


「こ、こんにちわ。」

「こんにちわ…」


あたし達の間には

これ以上ない気まずさがあったのでした───。


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