エイレネ
「届けものってなってるんだ。届けものってなに?」

私より座高も小さいロウは、少し私を見上げるように顔を向けた。

「あ、えっと……書類?詳しいことは聞いてないんだけど。中はもちろんみちゃ駄目だし……」

「みせて」

ロウが手をだした。
私はリュックから書類をだすと、ロウに渡す。
ロウはそれをじっとみた。

「報告書、かな」

そう呟くと、私に書類を返した。

「それがどうかしたの?」

「……いや、なんでもない」

ロウは素っ気なくいうと、私の顔を覗き込んできた。
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