エイレネ
夜。
パチパチと音をたてる炎を間に挟み、私と狼は野営をしていた。

「アテ島は平和だな」

ぽつりと狼が呟いた。

「そうなのかな?」

「ああ」

「……そっか」

会話が終わってしまった。
どうもこういうのは苦手だ。
それに二人きりだし。

「先に見張りやるよ」

狼はそういうと炎に薪を加えた。

「あ、ありがとう。じゃあお先に」

ちょっとだけ私はホッとし、お言葉に甘えて仮眠をとることにした。
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