エイレネ
結局待つこと数分、やっと狼が動いた。

「……あぁ、朝だ」

「朝だよ!」

「おはよう」

「おはよう……」

狼はまだ眠そうな顔をしているものの、朝日に向かい立ち上がって伸びをした。

「私一杯揺らしたのに、狼起きなかったんだよ」

私が狼の背中に文句をいうと

「あぁ……私寝起き悪いから」

「自覚あるなら先に言っといてよ!」

「……とゆうわけだから、明日もヨロシク」

振り返りながらサラッという狼。
意地悪な笑みが朝日に照らされ、その綺麗な横顔に不覚にもときめいてしまった。
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