エイレネ
「船のチケット、ある」

「本当だっ」

どうやら用意してくれていたらしい。
私は狼にチケットをみせてもらう。

「えーっと……。十時半発……あ、部屋も指定だぁ」

「十時半発!?」

「へ?」

狼が急にたちあがった。

「夏実、走るぞ!」

「えっ?」

「今十時二十五分だっ」

「うそぉっ」

私は狼につづいて立ち上がり、私たちは船へと急いだ。
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