エイレネ
「でもしっかり手入れしとかねーと、いざというときに……」

「そうそう。だから」

夏実はそういうと、手入れ道具をだして座った。

「わすれないうちにやっちゃわないとね?」

「……そうだな」

「狼は拳銃士だよね」

「あぁ」

私は上体を起こすと、荷物のそばにおいておいた銃を片方だす。

「最高15発しか撃てないが、軽いタイプだから小回りは利く。それにセーフティを外せばすぐうてるから、突然のことにもすぐに対応できる」

私は夏実にセーフティを見せると、もとの場所に戻した。

「こっちにきてからは一度も使ってない。……だから弾を詰める必要もまだない」

「……そっか」

そう夏実はつぶやくと、手入れに専念した。
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