エイレネ
「……話すと長いよ」

別に隠すこともないか。
私がそうおもった直後、夏実は手入れを終えたらしく三節根をしまった。

「いーよ!寝ながら聞いてるから」

荷物をがっつりしまい込む夏実。
そして備え付けのベッドに横になった。

「……ある日私は、私用でイリスから見て北に位置する研究所に用があったんだ」

私はあの日のことを少しだけはなすことにした。
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