エイレネ
あの日。
仕事ではなく私用だったために、私は一人だった。
ちょっと急いでいたから、時間を気にしていなかったんだ。
だからイリスを昼に出た。
野営をしなければならくなることを忘れて。

あ、イリスから研究所へは一日かからない程度の距離だ。

……それで夜、ある一人の青年が走ってきた。
酷く慌てていて、何事かと青年にたずねた。
すると変な輩に絡まれ、追いかけられてるといった。
だから私はその青年を助けようと武器を手にした。
相手は三人。
私は肩に一発、足に二発……と三人に一発ずつ食らわせた。
すると案外あっさり逃げていったんだ。
でも。
私は顔を見られた。
なぜなら相手が懐中電灯をもっていて、逃げるときにめくらましで私に光りをあてたんだ。
でも私は気にしなかった。
ただ普通に賊だとおもっていたから。

そのあと青年は私にお礼をいい、消えていった。
今思えば、その時、その青年が一人だったことに疑問を覚えればよかったんだ。
研究所へいって私用を済まし、イリスに帰ってすぐだ。
私は村長によばれた。
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