エイレネ
返り血(狼視点)
先程より辺りは暗くなり、もう見通しが悪くなっていた。夏実は見えるが、先頭を歩くアイツはうっすら見えるくらい。
……そろそろか。そう思った瞬間だった。
「夏実っ」
私は夏実の首の根っこを引っつかみ、思いっ切り引っ張った。
「に゛ゃっ」
夏はよろけつつも、なんとか踏ん張る。
「なにすん……」
「前だバカっ」
私は銃を取り出す。
アイツは既に構えていた。
「え?え?」
夏実は状況がわかっていないらしい。
私が説明してやろうと口を開いたが……
「囲まれてる」
アイツに先を越された。
こういう状況になれているのか、声はとても落ち着いていた。
「う、嘘っ」
夏実はわたわたしながらも、三節棍を引っ張りだした。
……そろそろか。そう思った瞬間だった。
「夏実っ」
私は夏実の首の根っこを引っつかみ、思いっ切り引っ張った。
「に゛ゃっ」
夏はよろけつつも、なんとか踏ん張る。
「なにすん……」
「前だバカっ」
私は銃を取り出す。
アイツは既に構えていた。
「え?え?」
夏実は状況がわかっていないらしい。
私が説明してやろうと口を開いたが……
「囲まれてる」
アイツに先を越された。
こういう状況になれているのか、声はとても落ち着いていた。
「う、嘘っ」
夏実はわたわたしながらも、三節棍を引っ張りだした。