エイレネ
プロローグ
 
あの酷い争いから、かなりの時がたった。

平和であり、島々はそれをあたりまえだと考えてしまった。

そのせいか。

あの酷い争いを忘れてゆく者があらわれだす。

そして見えぬものが壊れはじめた。

音をたてて、確実に。

それに気づいたものは嗤った。

声をあげずに、ひっそりと。
 
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