あんたに夢中!
そう思っていたら、
「野際、少しだけ話いいか?」
と、西山部長が言った。

「…ええ、大丈夫ですけど」

話って、何だ?


「ええっ!?」

誰もいない会議室に、私の大声が響いた。

いや、この状況に大声を出さないって言う方が間違っているかも知れない。

「悪い話ではないと思うんだけど…」

西山部長は不安そうに首を傾げ、返事を待っていた。

「悪い話だなんて、全然大丈夫ですよ!」

だって、ねえ?

西山部長と一緒に会議室に入ったとたん、
「取引先の御曹司が今度の日曜日に野際に会いたいって」
と、彼は話を切り出した

「取引先って、この間のですか?」

私は質問をした。
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