あんたに夢中!
確かその時、私はお茶出しの係りだった。

「そうだ」

西山部長が首を縦に振ってうなずいた。

チラリとしか見てなかったけど…御曹司くん、かなりのイケメンだったなあ。

「顔はこんなんだが」

西山部長はスーツの胸ポケットから写真を取り出すと、私に差し出した。

きゃーっ、めっちゃタイプだー!

サラサラの黒髪に俳優のように整った顔立ちは、いかにも大人の男だ。

そのうえ、御曹司か…。

「話、受けてくれるよな?」

そう聞いた西山部長に、
「はい!」

私は大きく首を縦に振ってうなずくと、返事をした。

「朝から元気だね…」

耳をふさぎながら、西山部長が苦笑いを浮かべた。
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