あんたに夢中!
彼の理解力に疑問を感じながらも、
「とにかく…ね?」

私は言った。

「はい、わかりました!

冴子さん」

三浦くんは笑顔で首を縦に振ってうなずくと、私の前から去って行った。

なーにを言っているんだか。

「って言うか、ちゃんとわかってんのかしら?」

彼の後ろ姿を見送りながら、私は呟いた。


「ものすごい有名よ、冴子と三浦くん」

サンドイッチを頬張りながら言ったのは、中原真希(ナカハラマキ)だ。

彼女は数少ない同期で、入社以来からの私の親友である。

他の同期生たちは結婚して会社を辞めた。
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