あんたに夢中!
「俺は、冴子さんのことが好きですよ?」

だから何ですか!?

「冴子さんは、俺のどこが嫌いなんですか?」

そう聞かれた瞬間、私はふと思った。

そう言えば、何で?

私は心当たりのある方から、彼の嫌いなところを並べる。

「年下で、断ってもしつこくて、何度も言ってもあきらめてくれなくて…。

一言で言うなら、ウザい。

しつこいからどっか言って。

対象外だから関わりたくない」

自分でもひどいことを言ってるのは、わかってる。

けどそれくらい言わなきゃ、彼は離れてくれないような気がした。

「だから、嫌い」

そう言ったのと同時に、彼の腕が私から離れた。
< 38 / 57 >

この作品をシェア

pagetop