瑠璃色の華
「っ…。ひっく。」

嗚咽混じりの声が蓮の口から漏れる。

刀身からの光は消えて、そこには泣いている自分の顔しか映し出されていない。
帰りたいと願う。
あの愛しく逞しい腕の中に抱かれたいと痛切に願う。
「伯明様…。」

私の片割れ。連理の枝。
比翼の鳥…。

あなたがいなくては…。

「私は羽ばたくことすらままなりません。」

2羽で1羽の比翼の鳥のように、片方を失えばもう片方も死んでしまう。

「アナタに逢いたい…。」
狂おしいほどに…。
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