瑠璃色の華
その瞬間ばんっと部屋の扉が開いた。

「祥啓っ!!逢いたかった!!」

そう言って立っていたのは1人の青年。

「珀明様。ようこそいらっしゃいました。」

慧斗が椅子を引いて座るように促す。

「急に来てすまなかった。でも、どうしても逢いたくて…。」

珀明はそう言って祥啓の手をギュッと握る。

「珀明様!!皆が見てます…!!」

顔を真っ赤にして言う祥啓に珀明は笑って手を引いた。

「あぁー。後3日も待てねえよ。」


そう言ってガシガシと頭をかく珀明を祥啓は愛おしそうに見つめた。

「祥啓。せっかくの天気だし、庭を散歩しないか?」

そう言って差し出された手を何の躊躇いも無く祥啓は掴んだ。

「お気を付けて。」

慧斗と光琳に見送られて2人は庭に出て行った。
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