瑠璃色の華
「本当に。」

「まるで、傾国の姫君ですわね。」

「あら、まるででは無く、その通りの美しさだわ。」

賛同するかのように次々と他の女官達も口を開く。

「ありがとう。皆からの褒め言葉何よりも嬉しい今日の祝辞です。」

そう言って女が微笑むと女官達は恥ずかしそうに顔を赤らめる。

「姫様。茉莉花のお茶を淹れて参りました。」

まだ、年は14、15ぐらいであろう幼いながらも美しい少女がそっと茶器の乗った盆を差し出す。

「ありがとう。光琳。」

女は椅子に腰掛け茶器を受け取る。

茉莉花の華やかな香りが鼻をくすぐる。

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