瑠璃色の華

第四章

夕餉の席で

見渡す限り人人人。しかも全員男。いつものことながら若干の虚しさを覚えて原田は溜め息をついた。

「どうしたの佐之助。溜め息ついたら幸せ逃げるよ。」

原田の溜め息に気づいた藤堂はからかうように言った。

「溜め息つきたくもなるぜ。全く何日女抱いてないと思ってんだ。溜まってんだよ。」

食事を前に下品な言葉を吐いた原田を思い切り叩く者がいた。

「下品だ。原田。」

切れ長の目に独特の恐怖を感じさせる男にものともせず原田は言い返した。

「だってよー。俺も健全な男だぜー？仕方ないじゃねーか。」

開き直るように言った原田に男が眉をひそめる。

「それでも時と場所を考えろってんだよ。佐之助。」

後ろからまた叩かれ佐之助は不満の声をあげた。