ミルクティー
柚琉が普段言葉を発する事は少ない。

喋れない訳ではないのだが。

笑顔も同様に、滅多に見せる事はない。

笑顔が消えたのは、
柚琉が中学一年生…
つまり一年前、
双子の妹、
苺を亡くしてからだった。

突然の事故だった。

苺と仲の良かった柚琉は
泣いて叫んで哀しんで、
やがて笑うことを忘れた。

今は食欲があるだけ、
回復してきているのは
間違いないのだが、
やはりまだまだ心には
傷が残ったままだ。

こればかりは
時間をかけるしか無いのである。
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