空を見上げて
「…おはよ」

「……おはよぅ」


もう、外が明るい。

今何時?


「はは!お前、目ぇ腫れてる!」

「え?」


あれだけ泣いたら目も腫れる。

当たり前のこと。


「冷やしといで!」

「ふぁ~い」


ベッドから立ち上がり、2枚のタオルを持って洗面所へ向かう。

顔を洗って、タオルを濡らし、1枚を電子レンジに入れ、リビングに戻る。

蒼は、ソファに座ってテレビをつけていた。




待って?


「蒼だっ!」

「なんだよ…」


指を指し、蒼を見る。

やっと目が覚めた。


「人を指さしちゃいけません!」


笑いながらそんなことを言っている蒼。


「え…昨日…」

「またまた、泊まらせて頂いちゃいました」


イタズラっぽく、ニヒっと笑う。

やっちゃったぁ~。


「ごめん、私…」

「大丈夫!よかったね!今日休みで。あ、念のため言っとくけど、なんもしてないからな。」

「うん、わかってる…」


いろんな意味で。

この間後悔したばっかりなのに。

なんで、こうも学習能力がないかなぁ…。


「美月、自己嫌悪中に申し訳ないけど、腹減った。」

「あ、うん。今作る!」


って!

自己嫌悪中って、見透かされすぎだし!


食パンとベーコンエッグ、サラダを簡単に作り、リビングに運ぶ。


「いただきま~す!」


蒼は相変わらず、おいしそうに食べてくれる。

それに、態度も…あんな話を聞かせてしまったのに。

いつも通りな蒼。

私に気を使ってるのかな?
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